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LLMO/AIOのROIはどう測る?費用対効果の計算方法と投資判断の考え方
LLMO/AIO(以下、LLMO)のROIを把握しようと思っても、AI上での言及率や引用率だけでは費用対効果を判断できません。施策にかかった費用と事業成果を整理し、AIとの接点から売上・受注までをできる範囲で捉えることが重要です。この記事では、ROIの計算方法や成果の測り方、投資判断の考え方、ROIを高める方法まで解説します。
LLMO/AIOのROIは「AIに出たか」だけでは判断できない

LLMOの成果として、AI上での言及率や引用率、推奨順位などを確認することは重要です。ただし、これらの指標が改善しただけでは、投資に対してどの程度の利益を得られたのかまでは判断できません。
また、AI上で企業やサービスを知ったあと、指名検索や公式サイトへの直接アクセスを経てCVするなど、AIとの接点から成果までを直接追えないケースもあります。
そのため、LLMOでは「AI上での可視性」と「事業成果」を分けて捉えたうえで、最終的に施策へ投じた費用と得られた成果を比較する必要があります。
LLMO/AIOのROIを計算する基本式
基本式
ROI(%)=(LLMOによって得られた利益-LLMOへの投資額)÷LLMOへの投資額×100
LLMOのROIも、基本的な考え方はほかのマーケティング施策と同じです。たとえば、LLMOに30万円を投じ、そこから80万円の利益を得られた場合は、以下のように計算できます。
計算例
(80万円-30万円)÷30万円×100=約166.7%
ただし、ここで重要なのは「何をLLMOへの投資額とし、どの成果をLLMOによって得られた利益として扱うか」です。計算式そのものよりも、費用と成果の範囲をあらかじめ決めておく必要があります。
LLMO/AIOのROIを算出する方法
LLMOのROIは、施策にかかった投資額と、LLMOによって得られた利益を整理したうえで計算します。費用と成果の範囲をあらかじめ決めておくことで、継続的に同じ基準で比較しやすくなるでしょう。
1. LLMOにかかった投資額を整理する
まずは、LLMOの実施にかかった費用を整理します。ツールや外注に支払った金額だけでなく、社内で測定・分析・改善に使った工数も投資額に含めて考えましょう。
| 費用 | 具体例 |
|---|---|
| 人件費 | プロンプト設計、AI回答の確認、分析、改善施策の検討 |
| ツール費 | AI検索の測定・分析ツール |
| 外注費 | コンサルティング、分析支援 |
| 制作・実装費 | コンテンツ制作、サイト改修 |
SEOやサイト改善など複数の目的を兼ねる費用は、すべてをLLMOへ計上するのではなく、社内で一定の配分ルールを決めておくことが重要です。
ポイント
費用の範囲は途中で変えず、月次・四半期など同じ単位で集計するとROIの推移を比較しやすくなります。
2. ROIに計上する成果の範囲を決める
次に、どの成果をLLMOのROIに含めるかを決めます。AIとの関係を確認しやすい直接成果と、ほかの施策も影響する成果では、同じ扱いにしないことが重要です。
| 成果の種類 | 具体例 | 扱い方 |
|---|---|---|
| 直接成果 | AI経由の購入、問い合わせ、受注 | ROIへ計上しやすい |
| アシスト成果 | AIで知ったあと指名検索などを経てCV | LLMOとの関係を確認したうえで扱う |
| 間接成果 | 指名検索、認知などの変化 | 原則、補助指標として確認する |
たとえば、指名検索の増加にはSEOや広告、PRなども影響します。どこまでをROIの計算対象とし、どこからを参考指標として扱うかをあらかじめ決めておきましょう。
ポイント
「計測できた成果」ではなく、「LLMOとの関係をどこまで説明できるか」を基準に計上範囲を決めると、過大評価を避けやすくなります。
3. LLMOによる成果を計測する
計上範囲を決めたら、それぞれの成果を確認できるデータを集めます。AI経由の流入だけでは把握できないケースもあるため、複数の方法を組み合わせて計測することがポイントです。
| 成果 | 主な確認方法 |
|---|---|
| AI経由の購入・問い合わせ | アクセス解析、CVデータ |
| AI接点を含む商談・受注 | 問い合わせフォーム、商談時のヒアリング |
| 指名検索・認知などの変化 | 指名検索数などの推移 |
AIで企業を知ったあとに指名検索して問い合わせた場合など、アクセス解析だけでは把握できない接点もあります。計上ルールに応じて、必要なデータを取得できる状態を整えましょう。
ポイント
計測方法は成果の種類ごとに決めておき、あとから都合のよいデータだけを採用しないことが重要です。定点で同じ方法を使うことで、施策前後の比較もしやすくなります。
LLMO/AIOのROIを正しく測るための注意点
LLMOでは、成果の計上方法や比較条件によってROIの数値が変わります。継続的に評価するためにも、社内で計算ルールをそろえておきましょう。
ROI算出時に確認したいポイント
・売上ではなく、粗利など同じ利益基準で計算する
・同じCVをSEOや広告など複数の施策へ二重計上しない
・施策前後で測定期間や対象プロンプトなどの比較条件をそろえる
・因果関係を確認できない間接成果は、ROIとは分けて補助指標として扱う
とくにLLMOでは、AIとの接点から最終的なCVまでを直接追えないケースがあります。計測できた数字をすべてLLMOの成果とみなさず、同じルールで継続して評価できる状態をつくることが重要です。
成果モデル別に見るLLMO/AIOのROI試算
LLMOから事業成果までの流れは、ビジネスモデルによって異なります。ここでは、Web上で購入まで完結するケースと、問い合わせから商談・受注につながるケースに分けて考えます。
| 成果モデル | ROI算出までに追う主なデータ | ROIに用いる成果 |
|---|---|---|
| Web上で購入・申込が完結 | AI経由流入 → 購入・申込 | 購入・申込によって得られた利益 |
| 問い合わせ・商談を経て受注 | AI経由流入 → 問い合わせ → 商談 → 受注 | 受注によって得られた利益 |
Web上で購入・申込が完結する場合
ECなどでは、AI経由の流入から購入まで追える場合、比較的シンプルにROIを試算できます。
たとえば、1カ月のLLMO投資額が20万円、AI経由の購入による売上が60万円、粗利率が50%だった場合、粗利は30万円です。
計算式
(30万円-20万円)÷20万円×100=50%
この場合、ROIは50%となります。売上額ではなく、購入によって得られた利益をもとに計算することがポイントです。
問い合わせ・商談を経て受注する場合
BtoBでは、問い合わせがそのまま利益になるわけではないため、その後の商談・受注まで追う必要があります。
たとえば、LLMOに月30万円を投資し、AI経由で10件の問い合わせ、4件の商談、1件の受注が発生し、その受注による粗利が80万円だった場合は、以下のようになります。
計算式
(80万円-30万円)÷30万円×100=約166.7%
この場合、ROIは約166.7%です。ただし、その受注とAIとの接点を一定程度確認できることが前提となります。
LLMO/AIOの投資判断で確認したい3つの視点

LLMOの投資判断では、ROIの数値だけでなく、成果までのKPIの推移や投資回収までの期間もあわせて見る必要があります。さらに、継続・拡大・見直しの基準を決めておくことで、数値の変化を次の判断につなげやすくなります。
KPIは段階ごとに分けて推移を見る
ROIだけを見ても、成果が出ていない原因まではわかりません。AI上の可視性から事業成果までを分け、それぞれの変化を追うことが重要です。
| 段階 | 確認する指標の例 |
|---|---|
| AI上の可視性 | 言及率、引用率、AI-SOVなど |
| AIからの接点 | AI経由流入など |
| 事業成果 | CV、商談、受注、売上など |
| 投資効率 | CPA、ROIなど |
また、LLMOは改善を実施しても、すぐにAI回答へ反映されるとは限りません。単月の数値だけで判断せず、一定期間の推移を見ながら、どの段階が変化しているかを評価しましょう。
投資回収までの期間を見積もる
ROIだけでなく、投資額をどのくらいの期間で回収できるかも確認します。
たとえROIがプラスでも、回収までに長い期間がかかる場合は、年間予算や事業計画との整合性を見直す必要があります。どの程度の期間で回収できる見込みなのかを把握し、継続判断につなげましょう。
継続・拡大・見直しの基準を決める
LLMOへの投資を判断する際は、どのような状態なら継続・拡大・見直しを行うのか、あらかじめ基準を決めておきましょう。
たとえば、KPIが改善している段階では施策を継続し、事業成果まで伸びている場合は投資の拡大を検討できます。一方、一定期間取り組んでもKPIに変化が見られない場合は、施策内容や投資対象の見直しが必要です。
ROIの数値だけではなく、KPIの変化とあわせて次の投資判断を決めることが重要です。
LLMO/AIOのROIを高める方法

LLMOのROIを高めるには、成果を増やすだけでなく、施策にかかるコストを抑える視点も必要です。投資する対象を絞り、既存資産やツールを活用しながら改善を進めましょう。
事業成果に近いプロンプト・テーマを優先する
すべてのプロンプトを同じ優先度で改善する必要はありません。商品・サービスの比較や具体的な課題解決など、CVや受注につながりやすいテーマへ優先的に予算・工数を配分することが重要です。
AI上での言及を増やすこと自体を目的にせず、事業成果までの距離を踏まえて投資対象を絞りましょう。
優先順位の考え方
・優先度 高:比較・検討、具体的なサービス選定につながるテーマ
・優先度 中:課題解決や情報収集につながるテーマ
・優先度 低:事業成果との距離が遠い一般的なテーマ
成果が止まっている段階に応じて改善策を変える
ROIが伸びない場合は、LLMO全体を一律に見直すのではなく、成果が止まっている段階に合わせて改善策を変えることが大切です。AI上での言及、サイトへの接点、CVのどこに課題があるかによって、優先すべき施策は異なります。
| 成果が止まっている段階 | 改善の方向性 |
|---|---|
| AI上で言及されていない | 対象プロンプトやコンテンツ、AIが参照する情報を見直す |
| 言及されているが引用・流入につながらない | 公式情報や引用元、ユーザーが詳しく確認できる情報を整える |
| 流入しているがCVにつながらない | サービスページやフォームなど成果地点を見直す |
ボトルネックを特定し、その段階に予算や工数を集中させることで、不要な投資を抑えながら改善を進めやすくなります。
既存のSEO・コンテンツ資産を活用する
LLMOのために、すべてのコンテンツを新しく制作する必要はありません。既存の記事やサービスページに不足している情報を追加したり、内容を更新したりすることで対応できる場合もあります。
新規制作ありきにせず、既存資産を活用することで制作コストを抑えながら改善を進められます。
測定・集計にかかる運用コストを抑える
測定するプロンプトや競合が増えるほど、AI回答の確認や記録、比較にかかる工数も大きくなります。
定型的な測定・集計はツールで効率化し、担当者が分析や改善判断に時間を使える状態をつくることもROIを高めるうえで重要です。
AI検索可視化ツール「AKARUMI」では、複数のプロンプトやAIモデルについて、自社・競合の言及状況や引用元などをまとめて確認できます。
LLMO/AIOのROIに関するよくある質問
LLMOのROIでは、適切な水準や評価期間など、一律に判断しにくい部分もあります。ここでは、投資判断で生じやすい疑問に回答します。
Q. LLMOのROIは何%あれば成功といえますか?
A. 一律に「○%以上なら成功」と判断できる基準はありません。
利益率や事業モデル、投資回収に許容できる期間などによって適切な水準は異なります。自社のほかのマーケティング施策や事業目標と比較して判断しましょう。
Q. ROIがプラスになるまでどのくらいかかりますか?
A. 一律の期間はありません。
サイトやコンテンツの状態、対象テーマなどによって成果が表れるまでの期間は異なります。短期間のROIだけでなく、AI上の可視性や事業成果の推移もあわせて評価しましょう。
Q. AI経由のCVが少なくてもLLMOを続ける意味はありますか?
A. ほかのKPIが改善している場合は、継続する余地があります。
AI上での可視性が高まっていてもCVにつながっていない場合は、成果までの途中に課題がある可能性があります。KPIを段階ごとに確認し、継続・見直しを判断しましょう。
Q. LLMOツールの利用料も投資額に含めますか?
A. LLMOの測定・分析に利用するツール費は、投資額に含めます。
ツール費もLLMOを運用するために発生するコストのため、人件費や外注費などとあわせて計上します。SEOなど複数の用途で使用している場合は、利用範囲や工数など一定の基準を決め、LLMO分の費用を配分するとよいでしょう。
Q. 指名検索の増加をLLMOの成果として扱えますか?
A. 補助指標として扱えます。
指名検索は広告やPRなどほかの施策からも影響を受けるため、すべてをLLMOの直接成果としてROIに含めるのは適切ではありません。ROIとは分けて、施策前後の変化を追うとよいでしょう。
LLMO/AIOのROIを継続的な改善につなげる
LLMOのROIは、一度算出して終わるものではありません。AI上での可視性や事業成果の変化を継続して追い、どの施策へ投資を続けるか、どこを見直すか判断するために活用することが大切です。
すべての成果をLLMOだけに結びつけるのが難しい場合でも、同じ基準で計測を続けることで、投資と成果の関係は捉えやすくなります。ROIだけでなく、その前段階の変化も確認しながら改善を重ねることが、LLMOへの投資を事業成果につなげるポイントです。
AI検索可視化ツール「AKARUMI」では、複数のプロンプトにおける自社・競合の言及状況や引用元などを継続的に確認できます。LLMOの成果測定に必要なデータを効率的に収集したい場合は、ぜひご活用ください。
また、LLMOのKPI・ROI設計から具体的な改善施策まで支援が必要な場合は、ipeのLLMOコンサルティングサービスもご利用いただけます。




既存資産を活用する場合は、コンテンツの種類ごとに不足している情報を補うイメージで進めるとよいでしょう。たとえば、既存記事に比較・検討に必要な情報を追加したり、サービスページの説明を補足したりする方法があります。