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シェアオブボイス(SOV)とは?AI時代の新指標「AI-SOV」と測定方法を解説
シェアオブボイス(SOV)を把握しようと思っても、チャネルごとの測り方やAI時代の考え方に悩むことも少なくありません。この記事では、SOVの基本や計算方法、AI-SOVの測定手順、改善方法を解説します。露出状況を正しく把握し、AI検索時代のブランド戦略に活かしましょう。
シェアオブボイス(SOV)とは?

シェアオブボイス(SOV)とは、特定の市場やチャネルにおいて、自社ブランドがどの程度露出しているかを示す指標です。もともとはテレビCMや広告出稿量の比較で使われてきましたが、現在では検索エンジン、SNS、メディア掲載など、さまざまな接点で活用されています。
AI検索の普及により、今後はAI回答内でのブランド言及もSOVの対象として重要になりつつあります。
シェアオブボイス(SOV)の計算方法と基本の考え方
SOVは自社と競合の露出量を相対比較する指標です。まず計算の基本を押さえて、さまざまなチャネルに活かせる土台を作りましょう。
基本式
SOVの基本式
自社のブランド指標 ÷ 市場全体のブランド指標 × 100
SOVは、基本的に「自社のブランド指標 ÷ 市場全体のブランド指標 × 100」で算出します。たとえば、自社の広告表示回数が1万回、競合を含めた市場全体の表示回数が10万回であれば、SOVは10%です。
比較対象の決め方
SOVを測定する際は、どの範囲を「市場全体」として見るかを決める必要があります。具体的には、同じ商品・サービス領域で比較されやすい企業や、同じ検索キーワード・媒体・カテゴリ上で接点を持つ競合を対象にするのが一般的です。
市場全体といっても、業界すべての企業を含めるとは限りません。比較範囲が広すぎると数値の意味がぼやけ、狭すぎると市場内での立ち位置を正しく把握しにくくなります。
シェアオブボイス(SOV)を測る主なチャネル
SOVの計算式の基本を覚えたら、次はチャネルごとに何を分子・分母として設定するかを見ていきましょう。
| チャネル | 分子の例 | 分母の例 |
|---|---|---|
| SEO(自然検索) | 自社の推定露出(順位・表示面積) | 自社と競合の総露出 |
| リスティング広告 | 自社広告の表示回数 | 表示可能だった総回数 |
| SNS | 自社ブランドのメンション数・反応数 | 自社と競合ブランドの総メンション数・反応数 |
| メディア・PR | 自社ブランドの掲載・言及数 | 自社と競合ブランドの総掲載・言及数 |
| AI検索 | 自社が言及された回答数 | 調査対象プロンプトへの総回答数 |
SEO(自然検索)
計算式の例
自社の推定露出 ÷ 自社+競合の総露出 × 100
SEOでは、対象キーワードの検索順位を露出量の目安に置き換えてSOVを測定します。自然検索には広告のような公式の露出シェア指標がないため、上位ほど見られる機会が大きいという前提で、自社と競合の順位を比較して推定します。
この推定は順位計測系のSEOツールで自動計算できるものが多く、手作業で順位を集計する必要はありません。検索結果上でどれだけ自社が見られる状態を作れているかを把握することで、競合との露出差を確認できます。
リスティング広告
計算式の例
自社広告の表示回数 ÷ 表示可能だった総回数 × 100
リスティング広告では、Google広告の「インプレッションシェア」をそのままSOVとして使えます。表示された回数と、表示できたはずの回数の比率をGoogle側が算出してくれるため、管理画面の数値がそのまま自社の露出シェアになります。
自然検索のように推定する必要がなく、より正確な露出割合を把握できるのが特徴です。
SNS
計算式の例
自社ブランドのメンション数 ÷ 自社+競合ブランドの総メンション数 × 100
SNSでは、ブランド名のメンション数、投稿のインプレッション、エンゲージメントなどをもとにSOVを測定します。X、Instagram、TikTokなど媒体ごとに指標は異なりますが、会話や反応の中で自社がどれだけ存在感を持っているかを見る点は共通です。
競合を含む総メンション数は、SNS分析ツール(ソーシャルリスニングツール)で収集するのが一般的で、広告による露出だけでなく自然発生的な言及も評価対象になります。
メディア・PR
計算式の例
自社ブランドの掲載・言及数 ÷ 自社+競合の総掲載・言及数 × 100
メディア・PRでは、記事掲載数やブランドへの言及量、掲載メディアの影響力などをもとにSOVを測定します。単純な掲載本数だけでなく、どの媒体に掲載されたか、どのような文脈で紹介されたかも重要です。
ポジティブな紹介なのか、比較記事の一部なのかなどによってブランド認知への影響は変わるため、量と質の両面で確認する必要があります。
AI検索
計算式の例
自社が言及された回答数 ÷ 調査対象プロンプトへの総回答数 × 100
AI検索では、ChatGPT、Gemini、PerplexityなどのAI回答内で自社ブランドが言及されているかをもとにSOVを測定します。従来の検索結果と異なり、AI検索では回答内で候補の比較や判断が行われることがあります。
測定の際は、想定される質問(プロンプト)を複数用意してAIに投げ、そのうち自社が登場した割合を見ます。具体的な手順は後述します。
AIシェアオブボイス(AI-SOV)とは

AIシェアオブボイス(AI-SOV)とは、AI検索や生成AIの回答内において、自社ブランドがどの程度言及されているかを示す指標です。従来のSOVが広告枠や検索結果上の露出を対象としていたのに対し、AI-SOVは生成された回答文の中での登場有無や扱われ方を見ます。
ユーザーがAIの回答を読んで比較・検討を進める場面では、流入数だけでは測れないブランド接点を把握する指標となるでしょう。
AIシェアオブボイス(AI-SOV)が重要性を増している理由
AI-SOVが重要性を増している背景には、AI検索によってユーザーの情報収集や比較検討の流れが変わりつつあることがあります。ここでは、AI-SOVを把握すべき主な理由を解説します。
ゼロクリック検索が増加しているから
AI検索では、ユーザーが検索結果のリンクをクリックせず、AIの回答だけで疑問を解決する場面が増えています。従来は検索結果からサイトへ流入した数を見れば、ある程度の接点を把握できました。
しかし、AI回答内で情報収集が完結する場合、クリック数には表れないブランド露出が発生します。そのため、AI回答内で言及されているかを把握することが重要です。
AIが比較検討の候補を絞り込むから
ユーザーが「おすすめの〇〇」「〇〇に強い会社」などと質問した場合、AIは複数のブランドやサービスを比較して提示することがあります。この回答内に自社が含まれているかどうかは、比較検討の初期段階に入れているかを判断する材料です。
検索順位だけを見ていても、AI回答内で競合だけが紹介されている状況には気づきにくいため、AI-SOVの測定が求められます。
AI回答での露出がブランド想起を左右するから
AI回答内で繰り返し言及されるブランドは、ユーザーの第一想起に入りやすくなります。とくに、ユーザーがまだ具体的なサービス名を知らない段階では、AIが提示する候補が認知形成に影響します。
検索結果上で上位表示されていても、AI回答内で名前が出てこなければ、比較候補に入れない可能性があります。AI-SOVは、こうした想起への影響を把握するための指標です。
AIシェアオブボイス(AI-SOV)の測定方法
AI-SOVは、感覚ではなく決まった手順で測ることで、継続的に比較できる数値になります。ここでは、プロンプトの設計から競合との比較まで、基本となる4つのステップを順に解説します。
STEP1. 評価するプロンプトを設計する
AI-SOVを測定するには、まず評価対象となる質問(プロンプト)を設計します。たとえば、「おすすめの〇〇は?」「〇〇に強い会社は?」「〇〇を選ぶときの候補は?」といった、ユーザーが比較検討時に入力しそうなプロンプトを複数用意します。
プロンプトの言い回しによって回答は変わるため、単一のプロンプトだけで判断せず、複数のパターンを用意することが重要です。
STEP2. ブランドの出現率を算出する
基本的なAI-SOVは、用意したプロンプトを実行して得られた回答のうち、自社ブランドが登場した割合で算出します。たとえば50個のプロンプトをそれぞれ実行し、50回の回答中10回で自社ブランドが登場した場合、AI-SOVは20%です。
この方法はシンプルでわかりやすく、初期の測定に向いています。ただし、登場した位置や文脈までは評価できないため、必要に応じて重み付けも検討します。
監修者コメント
出現率は、同じプロンプトを1回実行しただけの数字を鵜呑みにしないことが重要です。各プロンプトを複数回実行し、その平均で出現率を出すようにすると、偶然のブレを抑えた信頼できる数値になります。
STEP3. 登場位置・文脈で重み付けする
AI回答内でブランド名が出ていても、最初に紹介される場合と補足的に触れられる場合では、ユーザーへの影響が異なります。出現有無だけでなく、登場位置や文脈を加味してスコアリングする方法も検討してください。
たとえば、最初に紹介された場合は高く評価し、否定的な文脈や補足的な言及は低く評価します。これにより、実際の露出価値に近い形でAI-SOVを把握できるでしょう。
監修者コメント
重み付けのルールは、凝りすぎず3段階程度から始めるのが実務的です。「推奨として筆頭で挙がった/候補の一つとして挙がった/否定・補足的に触れられた」の3区分なら、担当者が変わっても判定がぶれにくくなります。
STEP4. 競合ブランドと比較する
AI-SOVは、自社単体で測るだけでは十分ではありません。同じプロンプト、同じAIモデル、同じ測定条件で競合ブランドも確認することで、自社の相対的な立ち位置が見えてきます。
たとえば、自社の出現率が20%でも、競合が60%で言及されていれば、AI回答内での存在感には大きな差があります。競合比較を行うことで、改善すべき領域を具体化しやすくなります。
監修者コメント
比較する競合は、自社が思う競合ではなく「AIが同じ回答内に並べて挙げるブランド」を選ぶと精度が上がります。市場での競合と、AIが同一カテゴリと認識しているブランドは必ずしも一致しないためです。
AI-SOVを継続的に測定するには、プロンプトごとの出現率や競合との差分を定点観測する必要があります。手作業での確認に限界を感じる場合は、AI検索上でのブランド露出や引用状況を可視化できるAKARUMIの活用もご検討ください。
AIシェアオブボイス(AI-SOV)測定でつまずきやすいポイント
AI-SOVは手順どおり測っても、いくつかの要因で数値がぶれやすい指標です。あらかじめつまずきやすいポイントを押さえておくと、測定結果の信頼性を保てます。
プロンプトによって結果が変わる
AI-SOVの結果は、プロンプトの言い回しによって大きく変わります。たとえば、「Web制作会社」と聞いた場合と、「Web制作・マーケティング支援会社」と聞いた場合では、AIが挙げる候補が変わる可能性があります。
実際のユーザーが使いそうな表現を複数用意し、単一のプロンプトだけで判断しないことが重要です。測定時は、プロンプトの種類と意図も記録しておく必要があります。
回答が毎回揺らぐ
生成AIの回答は、同じプロンプトを投げても毎回同じになるとは限らず、言及されるブランドや順番が変わることがあります。この揺らぎを抑えるには、各プロンプトを最低3〜5回ほど繰り返し実行し、その平均で出現率を見るのが目安です。
また、どのモデルで測るかも先に決めておきます。ChatGPT・Gemini・Perplexityのどれを対象にするか、複数を見るならモデルごとに分けて集計するかを固定しておくと、数値の意味がぶれません。
モデル・設定によって差が出る
AI-SOVは、使用するAIモデルや設定によっても結果が変わります。ChatGPT、Gemini、Perplexityなどでは参照する情報や回答の作り方が異なるため、同じプロンプトでも言及されるブランドが変わることがあります。
また、検索連携の有無や推論モードの違いによっても、引用や言及の傾向は変動します。どの環境で測定したかを記録しておくことが重要です。
測定条件がずれると比較できない
AI-SOVを継続的に測定する場合、測定条件の再現性が欠かせません。プロンプト、対象モデル、実行日時、比較対象ブランド、評価ルールなどが変わると、前回との差分を正しく比較できなくなります。
測定結果そのものだけでなく、どの条件で取得したデータなのかを残しておく必要があります。再現性を担保することで、改善施策の効果も判断しやすくなります。
AIシェアオブボイス(AI-SOV)を高めるための5つの方法

AI-SOVは測るだけでなく、結果を受けて改善してこそ意味を持ちます。ここでは、AIに言及されやすくするために取り組みたい5つの打ち手を紹介します。
結論ファーストで情報を構造化する
AIに言及されやすくするには、コンテンツ内の情報をわかりやすく整理することが重要です。結論を先に示し、サービスの特徴、対応領域、強み、対象ユーザーなどを明確に記載します。
見出しやFAQを使って情報を構造化すると、AIが回答に利用しやすくなります。単に文章量を増やすのではなく、AIが要点を抽出しやすい形で情報を配置することが大切です。
自社の立ち位置(エンティティ)を明確に伝える
AIがブランドを正しく理解するには、企業名、サービス名、提供領域、特徴などのエンティティ情報を明確にする必要があります。自社が何を提供しているのか、どのカテゴリに属するのかが曖昧だと、AI回答内で適切に扱われにくくなります。
公式サイトやサービスページでは、ブランド名と関連するキーワードを自然に結びつけ、AIが認識しやすい情報構造を整えることが重要です。
一次情報・独自データを発信する
AIは、信頼性の高い情報源や独自性のある情報を参照する傾向があります。そのため、調査データ、事例、導入実績、専門家の見解など、自社ならではの一次情報を発信することがAI-SOV向上につながります。
一般論だけをまとめたコンテンツでは、他社との差別化が難しくなります。独自データを継続的に公開することで、AI回答内で引用・言及される可能性を高められます。
第三者サイトでの言及を増やす
AI-SOVを高めるには、自社サイト内の情報だけでなく、外部サイトでの言及も重要です。比較記事、業界メディア、レビューサイト、ニュース記事などで自社ブランドが自然に紹介されていると、AIがブランドを認識する材料になります。
とくに、第三者による言及は信頼性の補強につながります。PRやメディア掲載、パートナーサイトでの紹介なども、AI検索対策の一部として考えられます。
測定と改善を繰り返す
AI-SOVは一度測って終わりではなく、継続的に確認しながら改善する必要があります。測定結果をもとに、自社が言及されていないプロンプトや、競合に負けている領域を把握し、コンテンツや外部発信に反映します。
その後、同じ条件で再測定することで、施策の効果を確認できます。AI検索の回答は変化し続けるため、定期的なモニタリングと改善が重要です。
シェアオブボイス(SOV)に関するよくある質問
最後に、SOVとAI-SOVについて寄せられやすい疑問をまとめました。指標の違いや改善の進め方について、あらためて整理しておきましょう。
Q. SOVとSOM(市場シェア)は何が違いますか?
A. SOVは「露出・声の量」のシェア、SOMは「実際の市場シェア」です。
目立っている度合いがSOV、その結果売れた度合いがSOMと考えるとわかりやすいでしょう。SOVがSOMを上回っていれば成長余地のサインとされます。
Q. AI-SOVとSEOのSOVは何が違う?
A. 測定対象が違います。
SEOのSOVは検索結果での表示シェア、AI-SOVはAIの回答内での言及シェアです。検索順位が高くてもAI回答に引用されるとは限らず、両者は必ずしも一致しません。
Q. AI-SOVが低い場合は何から改善すべき?
A. まず自社が言及されていないプロンプトを特定し、競合が挙がる理由を確認します。
そのうえで、サービス内容や強みを明確にしたページ、独自データや事例の発信から着手すると効果的です。
シェアオブボイス(SOV)は測定結果をもとに継続的な改善へつなげることが重要
SOVは、自社ブランドが市場や各チャネルの中でどの程度露出しているかを把握するための指標です。SEO、広告、SNS、メディア・PRに加えて、AI検索が広がる今後は、AI回答内でのブランド言及を測るAI-SOVも重要になります。
ただし、AI-SOVは一度測定して終わりではありません。プロンプトやモデル、評価ルールをそろえたうえで競合と比較し、自社が言及されていない領域や、競合に比べて弱い文脈を継続的に改善していくことが大切です。
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プロンプトは「どの検討段階の質問か」で分けて設計すると精度が上がります。「〇〇とは」のような認知段階と、「〇〇 おすすめ」のような比較段階では、AIが挙げるブランドも競合の顔ぶれも変わるためです。