- AIO/LLMO分析ツールのAKARUMI(アカルミ)TOP
- AKARUMI Insights
- 【EXPO登壇レポート 2026 秋】“AIに選ばれるブランド”の作り方 ― LLMOのKPI設計と対策
【EXPO登壇レポート 2026 秋】“AIに選ばれるブランド”の作り方 ― LLMOのKPI設計と対策
2026年10月、幕張メッセで開催された「営業・デジタルマーケティング Week 2026秋」にて、株式会社ipe代表の土井が「AIに選ばれるブランドの作り方 ― LLMOのKPI設計と対策」をテーマに登壇しました。
ChatGPTやGeminiに直接質問して情報を集めるユーザーが増え、企業にとっては「AIの回答で名前が挙がり、推奨されるか」が新たな競争軸になりつつあります。こうしたAIの回答に、自社の情報が正しく取り上げられるようにする対策がLLMO(大規模言語モデル最適化)です。一方で、「AIに自社がどう見られているか分からない」「KPIが立てられない」「何をすれば効果があるのか分からない」という声も多く聞かれます。
本記事では、この3つの課題への答えを中心に、当日の講演内容をダイジェストでご紹介します。
AI検索の普及で、ユーザーの情報収集はどう変わったのか

比較検討まではAIの中で完結する
ChatGPTの週間アクティブユーザー数は、2026年2月時点で9億人に達しています。ipeが支援するクライアントのデータでは、国内の一般ユーザーの利用はChatGPTとGeminiで約7割を占めるため、まずはこの2モデルへの対策が中心です。ただし、BtoB領域ではCopilotやClaudeも使われるため、4モデルを網羅しておく必要があります。
従来の検索では、ユーザーは上位の複数サイトを回遊しながら比較・検討していました。AI検索では、AIが複数サイトの情報を集約し、厳選したブランドだけを提示します。つまり「注意喚起」「情報収集」「比較検討」をAIが代わりに担うようになり、認知・検討段階のサイトへのアクセスは減少傾向にあります。


流入は減っても、CVRは高い
一方で、AI経由の訪問者は成果につながりやすいという強みがあります。ipeが支援する旅行系サイトでは、自然検索からのCVR(訪問者のうち問い合わせや購入に至った割合)が0.8%だったのに対し、ChatGPT経由は2.0%、Gemini経由は6.7%でした。
AIが厳選して提案したブランドを見たうえで訪れるため、申し込みを前提とした意欲の高いユーザーが多いと考えられます。
企業が直面している3つの課題と対策

AI検索への関心が高まる一方で、多くの企業が「AIの回答に自社がどう登場しているかを把握できない」「流入数や検索順位だけでは、AI時代の成果を測りきれない」「何をすればAIに選ばれるのか、打ち手が見えない」という3つの課題に直面しています。
課題①可視化できない
AIの回答は、同じ質問でも聞くたびに内容や登場するブランドが変わります。モデルごとに参照する情報源も異なり、Googleの検索順位のような公式データもありません。実際、海外の調査(Page One Power、2026年3月)では、AIの回答に自社が登場するかを継続的に追跡しているマーケターは27%にとどまりました。
つまり、多くの企業はAI上での自社の見え方を把握できていないのが現状です。こうした見えにくいAIの回答を把握するために必要なのが、次の3つの分析です。
必要な3つの分析
・ブランド言及分析:回答にどのブランドが何位で登場したかを記録する
・引用分析:回答に表示される引用リンクと、その順位を記録する
・プロンプト分析:どんな質問(プロンプト)のときに自社が登場するかを分析する
たとえば「おすすめの会計ソフトを教えて」と質問し、登場したブランドと引用URLを集計します。そこから算出するのが「言及率(ヴィジビリティ)=自社が登場した回数÷質問した回数」です。大手ブランドでは80%程度に達することもありますが、露出が少ないブランドなら、まずは30〜40%が現実的な目標です。
質問は「注意喚起→情報収集→比較検討→意思決定→行動」という購買フェーズに合わせて、1サービスあたり100プロンプト程度を用意します。とくに「情報収集」と「意思決定」の質問で露出できるかが、CVRに直結します。
また、回答は日々大きく変動するため、1回の結果で判断せず、毎日くり返し計測して1か月分の平均値で評価することが重要です。
課題②KPIが立てられない
従来のSEOでは「検索順位→CTR(クリック率)→流入数→CV数」がつながり、KPIを逆算できました。しかし、AIの回答内で完結する「ゼロクリック検索」が増えたことで、このつながりが崩れつつあります。
あるクライアントでは、検索順位は落ちていないのに、1日のクリック数が約800から400〜500へ減少しました。さらに、AIで比較検討したユーザーが後日社名で検索して訪れるなど、AI経由の成果は経路を追いにくいのも特徴です。そのため、従来の検索順位や流入数だけでは成果を正しく評価できず、AI時代のKPIが立てにくくなっています。
では、何をKPIにすればよいのでしょうか。AI検索では、ユーザーはサイトに訪れる前に、AIの回答の中で比較検討を終えています。そのため、流入数という「量」だけでなく、AIの回答で自社がどう扱われたか、AI経由の訪問がどれだけ成果につながったかという「接点の質」も測る必要があります。

そこで、従来の成果KPI(CV数・商談化率など)や効率KPI(CPA・ROIなど)に、次の2つを加えます。
AI検索で追加したい2つのKPI
・可視性KPI:AIにどれだけ見られ、語られているか(AIO出現率、AIO引用順位、AI言及率、AI引用率、AI掲載順位、指名検索数、AI Botアクセス数の7指標)
・AI接点KPI:AI経由でどれだけ接点が生まれたか(AI経由のセッション・CV・CVR)
※AIO(AI Overviews):Google検索結果の上部に表示される、AIによる要約回答
これらの指標は、計測方法を使い分けて把握します。AIO出現率・AIO引用順位・AI言及率・AI引用率・AI掲載順位の5つは、プロンプト×モデルの手動計測か、ipeのLLMO分析ツール「AKARUMI」で計測可能です。指名検索数はキーワードプランナー、AI Botアクセス数はサーバーログで計測します。AI接点KPIは、GA4で参照元をchatgpt.comやgemini.google.comなどに絞り込み、AIツール別の流入数やCVRを確認します。
とくにサーバーログでは、ChatGPTのBot(自動巡回プログラム)の種類を見分けることが大切です。学習用の「GPTBot」、検索用の索引を作る「OAI-SearchBot」に対し、「ChatGPT-User」はユーザーの質問に答えるためにリアルタイムでページを取得します。
ChatGPT-Userのアクセス1件はユーザーの質問1回に対応するため、検索でいう「表示回数」の代わりになる重要な指標です。
課題③施策が分からない
可視化やKPI設計ができても、「具体的に何をすればAIに選ばれるのか」が分からなければ、次の一手を打てません。そこで押さえておきたいのが、AIに推奨されるまでの4つの段階です。自社がどこで止まっているかによって、優先すべき対策は変わります。
| 段階 | よくある症状 | 主な打ち手 |
|---|---|---|
| ① 読まれる | AI Botがほとんど来ていない | クローラビリティ(巡回しやすさ)改善・サイトマップ・内部リンク |
| ② 認識される | 「何の会社か」をAIが誤って説明する | 会社・サービス情報の一貫性を整える |
| ③ 言及される | 「おすすめは?」で自社名が挙がらない | 外部メディア掲載・第三者評価を増やす |
| ④ 推奨される | 候補には入るが、比較で競合に負ける | 「選ばれる理由」・比較情報・実績を示す |
実際には、社内のセキュリティ設定でAI Botが遮断されて①で止まっていたり、古いプレスリリースが引用されて②でAIに誤って認識されていたりするケースも少なくありません。まずはボトルネックを特定することが出発点です。
そのうえで取り組みたい、AIに選ばれるための効果的な施策が次の4つです。
1. 情報の置き場所を「自社サイトの外」まで広げる
AIは、比較サイト・業界メディア・口コミ・SNS・プレスリリースなど、自社サイトの外も参照しています。こうした外部媒体への露出強化は、最も重要な施策の1つです。
2. SEOとLLMOの両面から施策の優先順位をつける
一次情報、出典の明示、FAQ、構造化データ(ページの意味を機械に伝えるコード)、著者・監修者の明示、論理構造、実績・数値、第三者評価などは、SEOとLLMOの両方に効くため最優先です。
3. 「訪問させる情報」から「引用される知識」へ
結論を一文で抜き出せること、根拠となる数値や出典があること、誰が言っているかが明確であることが求められます。「豊富な実績」ではなく「13年以上・累計500社以上」と数字で示すと、AIが引用しやすくなります。
また、AIは複数ページにまたがる情報を読み切れない場合があるため、強み・事例・FAQなどを「選ばれる理由」ページとして1ページに集約するのも有効です。
4. AIのクローラーを通し、抜き出せる形にする
robots.txt(Botの巡回を許可・拒否する設定ファイル)でAI Botをブロックしていないかを確認し、サイトマップや構造化データを整備します。
明日からできるLLMOの4ステップ

ここまで紹介した考え方を、実際の取り組みに落とし込むための4つのステップをご紹介します。
1. 診断する
前述したとおり、AIに推奨されるまでには「読まれる→認識される→言及される→推奨される」の4段階があり、どこで止まっているかによって打つべき手が変わります。まずは次の4点を確かめ、自社の現状を把握しましょう。
確認する4つの段階
・読まれる:サーバーログで、AI Botが自社サイトに来ているかを確認する
・認識される:ChatGPTやGeminiに「〇〇社とは?」と聞き、正しく説明されるかを確認する
・言及される:「おすすめの〇〇は?」と聞き、自社名が挙がるかを確認する
・推奨される:比較の質問をして、自社が一番に推されるかを確認する
2. 記事を最適化する
AIに引用されやすいのは、結論を一文で抜き出せて、根拠や書き手が明確な記事です。既存の記事やサービスページをこの視点で見直し、まずは次の5つから取り組みましょう。
まず見直したい5つのポイント
・冒頭で、質問への答えを一文で示す(結論ファースト)
・よくある質問をQ&A形式でまとめる
・自社で撮影・作成した図や写真を使い、一次情報にする
・誰が書き、誰が監修したかを明記し、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を示す
・内容を見直したうえで、更新日を新しくする
結論・根拠・発信主体を明確にし、AIが情報を抜き出しやすい記事へ整えることがポイントです。
3. 外部媒体に掲載交渉する
AIは自社サイトだけでなく、比較サイトや業界メディアなど外部の情報も参照して回答をつくります。まずは、自社の業界でAIがどの媒体を引用しているかを調べましょう。ipeの独自調査では、SaaSならITreview・BOXIL、旅行ならじゃらん・楽天トラベル、人材ならdoda・オリコンなどがAIによく引用されていました。
引用されている比較サイトや業界メディアが分かったら、掲載申請や情報提供を行い、まずは1媒体からの掲載を目指しましょう。掲載後は、AIの回答で自社がどう扱われているかをモニタリングします。
4. 両輪で効く施策から着手する
施策の中には、SEOとLLMOの両方の評価を高められるものがあります。とくに、「一次情報・出典の明示・FAQ・構造化データ・著者や監修者の明示」の5つは、1つの施策で検索エンジンとAIの両方に効くため、投資が無駄になりにくい施策です。
まずはこの5つから着手し、検索からの流入を守りながらAI対策を進めましょう。
業界ごとに異なる引用構造と成果事例
業界×AIモデルで「勝ち筋」は違う

AIが回答の根拠としてどのサイトを引用するかは、業界によって大きく異なります。ipeがAKARUMIを使って行った独自調査でも、その違いが明らかになりました。
この調査は、SaaS・旅行(ホテル・旅館)・人材の3業界について、それぞれ500のプロンプト(質問)を用意し、ChatGPTとGeminiで2026年8月13日〜26日の14日間、毎日計測したものです。AIの回答でどのサイトが引用されているかを分析した結果、業界ごとに次のような傾向が見られました。
業界別に見られた引用傾向
・SaaS:ITreview・BOXIL・ITトレンドなどの比較・レビューサイトと、公式ヘルプが上位。比較サイトへの掲載と公式情報の整備が有効
・旅行:じゃらん・JTB・楽天トラベルなどの予約サイトが中心。予約サイト上の情報の最新化とGoogleビジネスプロフィールの整備が有効
・人材:doda・オリコン顧客満足度・厚生労働省が上位。公的データを引用した一次情報と自社メディアの強化が有効
また、ChatGPTは1つのサイトから複数ページを深く読み、Geminiは幅広いサイトから1ページずつ拾うという違いも見られました。
AI上の出現数が大きく伸びた2つの成果事例
ここでは、ipeがLLMOを支援したクライアントの成果事例を2つご紹介します。
大手美容機器事業者様
「〇〇の選び方と人気ブランドを教えて」といった情報収集段階の質問を中心に対策した結果、AI内での出現数が47件から68件に増え、平均順位も4.47位から3.66位に上昇しました。CV数は約2倍、セッション数は約3.6倍、指名検索数は約1.5倍に伸びています。
大手人材転職エージェント事業者様
「大阪で〇〇の求人を教えて」といったエリア×職種の質問で、クローリング対策や独自データの追加、構造化データの設置などに取り組みました。その結果、AI内での出現数は3,167%に増加しています。
業界・AIモデル・ユーザーの質問によって引用構造が異なるため、自社の領域に合わせて対策を設計することが重要です。
AI検索上のブランド露出を可視化する「AKARUMI」

AI検索の可視化やKPIの計測を手動で行う場合、1日200回(プロンプト×モデル)の質問を30日続けると、月6,000回もの質問と記録が必要になり、継続するのは現実的ではありません。
そこでipeが提供しているのが、LLMO分析ツール「AKARUMI」です。AKARUMIは、「AI検索のブラックボックスを、経営指標へ」をコンセプトに、AIが自社ブランドをどう認識しているかを可視化するツールです。AIがどのブランドを、どの文脈で紹介しているかという、これまで見えなかった情報を数値で捉え、戦略立案や意思決定に活用できます。
AKARUMIでできること
・AI上の露出・引用・文脈の可視化:AIの回答に自社がどれだけ登場し、どのURLが引用され、どんな文脈で紹介されているかを把握できる
・デイリーの自動計測と月平均の自動算出:回答のゆらぎをならした数値で、手間をかけずに評価できる
・モデル別・競合との比較:ChatGPTやGeminiなどモデルごとの違いや、競合との差をひと目で確認できる
・引用元のURL・ドメインの分析:自社の業界でAIがどの媒体を参照しているかが分かり、掲載交渉先の選定に生かせる
・課題点と改善策の自動抽出:自社サイトの課題と、その改善策を自動で洗い出せる
本記事で紹介した業界別の引用構造の分析も、AKARUMIで計測したデータをもとにしています。また、AI言及率やAI引用率などの可視性KPIも、AKARUMIで継続的に計測できるため、「AIにどう見られているか」の把握から施策の効果検証までを、同じデータで進められます。
まとめ:AI検索時代のブランドづくりは、可視化から始まる
AI検索の普及によってサイトへの流入は減る一方、AI経由で訪れるユーザーはCVRが高く、AIに選ばれるかどうかが新たな競争軸になっています。まずはデイリー計測で自社の見え方を可視化し、可視性KPIやAI接点KPIで「接点の質」まで測ることが第一歩です。そのうえでLLMO 4段階のどこで止まっているかを見極め、SEOとLLMOの両輪で効く施策から着手すれば、AIに推奨されるブランドに着実に近づけるでしょう。
株式会社ipeは、13年以上・累計500社以上のSEO支援で培った知見を生かし、LLMOコンサルティングとLLMO分析ツール「AKARUMI」の両面から、企業のAI検索対策を支援しています。AKARUMIは、国内大手の旅行会社や人材サービス、美容クリニックなど、SEO・デジタルマーケティングに先進的に取り組む企業で導入されており、LLMO戦略を立てる際の共通指標として活用されています。

現状の可視化からKPI設計、コンテンツ改善や外部媒体への露出強化といった施策の実行まで、一気通貫での伴走が可能です。自社がLLMO 4段階のどこで止まっているか、競合とどこで差がついているかを知りたい方は、まずは「LLMO/AIO無料分析」をお気軽にご利用ください。
本格的な戦略設計や施策実行まで支援が必要な場合は、ipeのLLMOコンサルティングサービスもご利用いただけます。



