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LLMOは可視化してからが始まり。成果をどう見極め、次の一手につなげるか
LLMOへの関心が高まる一方で、「施策の効果をどのように測ればよいのか分からない」「予算をかけるべきか判断できない」と悩む企業も少なくありません。
SEOであれば、検索順位や流入数、コンバージョン数などから施策の成果を追いやすいでしょう。しかし、AI検索では、AIの回答をきっかけに指名検索が発生するなど、ユーザーの行動を直接追いにくいケースがあります。
では、LLMO施策の成果は、何を見て判断すればよいのでしょうか。今回は、LLMO支援に携わるアカウント担当者に、成果が見えにくい理由や、可視化すべき指標、数値を次の施策へつなげる方法について聞きました
LLMOは「成果までの経路が見えにくい」のが難しさ
――LLMOは、施策の効果が見えにくいと感じる企業も多いと思います。SEOなどと比べて、成果を判断しにくいのはなぜでしょうか?
LLMOは、AI上で自社が紹介されてからコンバージョンに至るまでの経路を、直接的に追いにくいからだと思います。
SEOの場合は、検索順位が上がり、自然検索からの流入が増え、問い合わせや購入につながったという流れを比較的確認しやすいですよね。一方、AI検索では、AIの回答で商品やサービスを知ったユーザーが、その場で公式サイトをクリックするとは限りません。
AIからおすすめされたサービス名を覚えておき、あとからGoogleなどで指名検索することもあります。比較記事や第三者の口コミを確認してから、最終的に公式サイトを訪れるユーザーもいるでしょう。
この場合、意思決定にAIの回答が影響していても、アクセス解析上では「指名検索から流入したユーザー」に見えます。AIによる認知が、どの程度コンバージョンに影響したのかを追いきれないことが、成果を見えにくくする一因です。
――SEOよりも、コンバージョンまでに間接的な経路が入りやすいんですね。
そうですね。LLMOには、SEOだけでなく、認知施策やPRに近い側面も含まれていると思います。AIの回答内で企業名やサービス名が継続的に取り上げられること自体に、一定の意味があるからです。
テレビCMを見た人が、必ずその場で商品を購入するとは限りませんよね。LLMOもそれに近い部分があり、最終的なコンバージョンだけを見ても、施策の影響をすべて把握できるわけではありません。
SEOの指標だけで効果を判断しようとすると、「流入があまり増えていないから、まだ取り組む必要はない」と見えてしまうことがあります。しかし、実際にはAI上で自社の露出が増え、指名検索や比較検討のきっかけになっている可能性があります。
――効果を直接追いにくい一方で、AI検索の影響を実感する企業は増えているのでしょうか?
増えています。以前は「本当にLLMOをやる必要があるのか」という相談が中心でしたが、現在は「どこから始めればよいか」「どの程度の予算を確保すればよいか」といった、実施を前提とする相談も増えてきました。
実際に、企業が問い合わせのきっかけを顧客に尋ねた際、「AIの回答で知った」と答えられ、AI検索の影響を実感するケースもあります。とくに、旅行先や宿泊施設、業務支援サービスなど、複数の選択肢から条件に合うものを選ぶ領域では、AIが意思決定に与える影響を感じやすいと思います。
BtoBのサービスを選ぶときも、各社のWebサイトを一つずつ見て比較するより、AIに自社の条件を伝えて候補を整理してもらったほうが効率的です。AIは各社の特徴を並べて提示してくれるため、ユーザーが最初の候補を絞り込む場面でも使われるようになっています。
――AI検索が意思決定に使われる場面は広がっていますが、すべての企業が同じように投資すべきなのでしょうか?
すべての企業が同じ規模で投資すべきだとは限りません。業界や商材、ユーザーの情報収集行動によって、AI検索の影響度は異なります。
だからこそ、「周囲が始めているから」という理由だけで大きな予算を投じるのではなく、まず自社がAI上でどのように扱われているのかを確認することが重要です。可視化すれば、自社にとってLLMOの優先度がどの程度なのかを判断しやすくなります。

最初に見るべきは、AI上での自社の露出と扱われ方
――LLMOの成果を可視化する場合、どのような指標を確認すればよいのでしょうか?
最初に確認したいのは、AIの回答に自社名やサービス名がどの程度登場しているかです。一般的にはAI-SOVやビジビリティなどと呼ばれ、自社が対象となる回答内でどの程度露出しているかを確認します。
たとえば、「LLMOの支援会社を教えてください」「自社の条件に合うサービスはどれですか」といったプロンプトに対して、自社名が候補として挙がっているかということです。
どのページが引用されているかも重要ですが、その前に、まず自社名やサービス名がAIの回答に出ているかを見ます。自社サイトではなく、第三者の比較記事やニュース記事が参照されていたとしても、回答内で自社が適切に紹介されていれば、ユーザーとの接点にはなります。
――引用元が自社サイトであることよりも、まずは候補として紹介されているかが重要なんですね。
そうですね。そのうえで、どのページが引用されているか、どのような順位や割合で登場しているかを見ていきます。
また、単に名前が出ているかだけでなく、AIが自社をどのように説明しているかも重要です。肯定的な内容なのか、否定的な内容が含まれているのか、自社が意図する強みが反映されているのかを確認します。
企業側では価格の安さを強みとして認識していても、AIの回答ではサポート体制ばかりが紹介されていることがあります。反対に、企業側があまり意識していなかった特徴が、AI上では評価されているケースもあります。
回答内容を確認することで、自社がAIからどのような企業として認識されているのかがわかります。数値だけでは見えない認識のずれに気づける点も、可視化の大きな意味です。
――自社について誤った情報が出ているケースもあるのでしょうか?
あります。たとえば、サービスの利用条件やキャンセル方法などについて、実態とは異なる説明が生成されていることがあります。
企業側がWebサイトで十分に説明していなかったり、古い情報が外部サイトに残っていたりすると、AIが意図とは異なる情報を参照する可能性があります。そうした回答を確認して初めて、「この情報を公式サイトで明確に伝える必要がある」と気づくこともあります。
よくも悪くも、AI上で自社がどう理解されているかが見えるようになります。数値を上げるだけでなく、誤解されている情報を正すという意味でも、回答内容の確認は欠かせません。
――こうした数値や回答内容を継続的に確認するために、AKARUMIを活用しているんですね。
はい。AKARUMIで確認したAI上の露出や回答内容、競合との差をもとに、どこに課題があるのかを考えます。
たとえば、特定のプロンプトで自社が候補に入っていなければ、必要な情報が不足しているのか、強みが十分に伝わっていないのか、観測するプロンプトが適切でないのかを切り分けます。
その結果から、既存ページの改善や新しいコンテンツの企画、外部への情報発信など、次に取り組む施策を決めていきます。
――LLMOの指標だけでなく、SEOやアクセス解析のデータも組み合わせて見るのでしょうか?
見ます。SEOとLLMOは評価の軸が完全に同じではありませんが、重なる部分もあります。
たとえば、AI上での露出が増えた時期に指名検索が増えていないか、自然検索からの流入やコンバージョンに変化がないかを確認します。検索順位とAI上のビジビリティが完全に一致するわけではありませんが、一定の関係が見られるケースもあります。
AIも検索エンジン上の情報を参照しているため、検索上で信頼されているサイトや、業界内で知名度のある企業は、AI上でも露出しやすい傾向があります。ただし、それだけで結果が決まるわけではありません。
LLMOでは、SEO、AI上の露出、指名検索、コンバージョンなど、複数のデータを組み合わせて変化を読み解くことが大切です。明確な因果関係を断定するというより、複数の指標から可能性の高い仮説を立てていきます。
数字が動かなくても、施策が効いていないとは限らない
――施策を実施しても、思うように数字が動かないケースはありますか?
もちろんあります。LLMOはまだ変化の大きい領域で、どの企業にも共通する明確な勝ち筋が確立されているわけではありません。
AIのアルゴリズムや参照傾向も変化するため、仮説をもとに施策を実行しても、想定した結果にならないことがあります。ただ、数値が動かなかったからといって、すぐに「施策が効かなかった」と判断するべきではありません。
まずは、最終的なビジビリティだけでなく、その手前で変化が起きていないかを確認します。自社名の露出は増えていなくても、特定のページが引用される割合が増えていることがあります。AIによるクロールが増えたり、回答内での説明が変わったりしているケースもあります。
――最終的な成果だけでなく、途中の変化も確認すると。
そうですね。アクセス解析上の流入やコンバージョンだけを見ていると、その手前で起きている変化を把握できません。
ビジビリティ、引用率、回答内容、センチメントなどを確認できれば、「まだ自社名の露出にはつながっていないが、参照されるページは増えている」といった判断ができます。施策の影響がどこまで進んでいるのかを、複数の角度から考えられます。
それでも変化が見られなければ、別の仮説を立てます。対象としているプロンプトが自社の事業やユーザーニーズに合っているのか、AIが回答を作るために必要な情報がサイト内にあるのか、第三者サイトからの言及が不足していないかなどを確認します。
また、一つのAIサービスだけではなく、複数のサービスやプロンプトで傾向を見ることも必要です。特定の条件だけを見ていると、一時的な回答の変動を施策の成果や失敗として捉えてしまう可能性があります。
――こうした変化が表れやすい企業と、なかなか数字が動かない企業には、どのような違いがありますか?
検索上での評価が高い、業界内で知名度がある、積極的に情報発信やプロモーションを行っているといった企業は、AI上でも露出しやすい印象があります。
ただ、知名度のある企業だけが有利というわけではありません。比較する条件やプロンプトによっては、規模の小さい企業が候補として紹介されることもあります。
AIに細かな条件を指定して質問すると、大手企業ではなく、特定のニーズに強い企業やサービスが提案されることがあります。知名度が高くない企業でも、対象とするユーザーや強みを明確にし、必要な情報を発信できれば、特定の領域で存在感を高められる可能性があります。
――知名度のある企業だけが有利とは限らないんですね。企業の規模や現在地によって、取るべき戦略も変わるのでしょうか?
変わると思います。すでに知名度がある企業であれば、主要なプロンプトだけでなく、より細かなニーズでも候補に入るように、露出の幅を広げることが重要です。
また、現在は高い露出を獲得していても、競合が特定のニーズに合わせた情報を発信し続ければ、相対的な存在感が下がる可能性があります。大手企業には、露出の範囲を広げることと、現在のポジションを維持することの両方が求められます。
一方、まだ認知度が高くない企業には、狙う領域を絞ることで勝てる可能性があります。SEOと比べても、LLMOはまだ競合が十分に対応していない領域が残っています。自社の強みとユーザーの条件が合うプロンプトを見つけられれば、規模にかかわらず候補に入る余地があります。

可視化した数字を、次の一手へどうつなげるか
――可視化した結果は、具体的にどのような施策へ反映するのでしょうか?
企業によって異なりますが、コンテンツの追加や改善、強みの再整理、第三者からの言及を増やすための情報発信などが考えられます。
たとえば、AIの回答で自社の強みが正しく認識されていなければ、サービスページやコラム内で情報の示し方を見直します。どのような人や企業に向いているのか、競合と何が違うのか、強みを裏付ける根拠は何かを明確にします。
AI上で求められている情報と、自社が発信している情報を照らし合わせ、足りない内容を追加することもあります。既存ページを改善する場合もあれば、新しいコラムや比較コンテンツを作る場合もあります。
コラム記事であれば、専門家による監修やインタビュー、独自調査などを取り入れることもあります。一般的な情報をまとめるだけではなく、その企業にしか出せない知見を追加することで、信頼性や独自性を高めます。
――SEOでも重視されてきた施策が、LLMOによって改めて注目されているように見えます。
そうですね。一次情報を追加することや、自社の強みを明確にすることは、SEOでも以前から重要でした。
ただ、SEOだけを見ていると、検索ボリュームが小さいテーマは優先度を上げにくいことがあります。検索される回数は多くなくても、ユーザーが意思決定するために必要な情報であれば、AIの回答では重要になる可能性があります。
LLMOという観点が加わったことで、これまでは優先しにくかったインタビューや独自調査、細かな条件別の情報にも、取り組む理由が生まれています。もともと必要だったものの、従来の指標だけでは価値を説明しにくかった施策が、可視化によって検討しやすくなったともいえます。
――こうした課題や施策の優先順位を判断する際にも、AKARUMIで可視化したデータを活用するのでしょうか?
そうですね。AKARUMIで確認したAI上の露出や回答内容、競合との差をもとに、どこに課題があるのかを考えます。
たとえば、特定のプロンプトで自社が候補に入っていなければ、必要な情報が不足しているのか、強みが十分に伝わっていないのか、観測するプロンプトが適切でないのかを切り分けます。
その結果から、既存ページの改善や新しいコンテンツの企画、外部への情報発信など、次に取り組む施策を決めていきます。感覚だけで優先順位を付けるのではなく、可視化したデータを判断材料にできる点が重要です。

――AKARUMIで現在地を把握できれば、社内だけでも改善を進められるのでしょうか?
社内の体制によると思います。SEOやLLMOの知識を持つ担当者がいて、データから仮説を立て、施策の実行と検証まで進められるのであれば、AKARUMIを活用しながら内製することもできます。
一方で、数値を取得できても、どの変化を重視するのか、どの施策を優先するのかを判断できなければ、可視化しただけで止まってしまいます。
LLMOは歴史が浅く、自社のデータだけでは仮説を立てにくい場面もあります。他社や別の業界でどのような変化が起きているのかを踏まえて分析することが、判断材料になるケースもあります。
――では、どのような体制の企業が外部支援を検討するとよいのでしょうか?
SEOやコンテンツマーケティングの知識を持つ人が社内にいない場合や、分析はできても施策を実行する体制がない場合は、外部支援を活用する価値があると思います。
たとえば、AI-SOVが低いという結果が出ても、すぐに記事を増やせばよいとは限りません。サービスの強みが十分に伝わっていないのか、第三者からの言及が不足しているのか、観測するプロンプトが適切でないのかを切り分ける必要があります。
LLMOコンサルティングでは、AKARUMIで可視化したデータを分析し、優先度の高い施策へ落とし込みます。必要に応じて、プロンプトの見直しやコンテンツの企画・制作、外部への情報発信、公開後の検証まで支援します。
AKARUMIが現在地や変化を把握するための手段だとすれば、LLMOコンサルティングは、そのデータをどのように解釈し、具体的な施策へつなげるかを支援する役割です。
――可視化後の分析や施策設計まで任せる場合、支援会社を選ぶときは何を確認すればよいでしょうか?
LLMOだけを独立した施策として見るのではなく、SEOやPR、コンテンツマーケティング、事業戦略まで含めて考えられるかを確認するとよいと思います。
AIも、検索エンジンやWeb上にある情報を参照して回答を作ります。そのため、これまで検索やコンテンツ制作にどのように取り組んできたのか、データを施策へ落とし込んだ実績があるかは、一つの判断材料になります。
また、「この施策をすれば必ず成果が出る」と言い切るのではなく、データから仮説を立て、検証結果に応じて方針を見直せるかも重要です。変化の大きい領域だからこそ、施策を固定せず、継続的に検証できる体制が求められます。
――最後に、LLMOへの投資を迷っている担当者へ伝えたいことはありますか?
迷っているのであれば、最初から大きな予算をかけるのではなく、まずは自社の現在地を可視化することをおすすめします。
知名度のある企業であれば、現在の認知がAI上でも生かされているのかを確認できます。まだ認知度が高くない企業でも、特定の領域では競合より高く評価されていたり、自社にとって勝ち筋となるプロンプトが見つかったりする可能性があります。
現在地が見えなければ、どの程度投資すべきか、何から始めるべきかも判断できません。自然検索からの流入やコンバージョンだけを見て「まだ取り組む段階ではない」と判断すると、その手前で生まれているAI上の接点を見落とすことがあります。
まずはAKARUMIで、AI上での露出や回答内容、競合との差を確認する。その結果を踏まえて、社内で進めるのか、LLMOコンサルティングを活用するのか、どの施策から着手するのかを考えることが大切です。
可視化は、LLMO施策の成果そのものではありません。ただ、成果を判断し、次に取るべき施策を決めるためには欠かせない出発点です。



