Semrush「AI可視性ツールキット」とは?LLMO/AIOに活用できる機能や料金を解説

Semrush「AI可視性ツールキット」とは?LLMO/AIOに活用できる機能や料金を解説

AI検索への対応では、自社の露出だけでなく、競合との差や不足しているテーマまで確認することが求められます。Semrushの「AI可視性ツールキット」は、ブランド可視性や競合、プロンプト、サイトの課題を分析できるツールです。この記事では、Enterprise AIOとの違いや主な機能、料金、活用方法を解説します。

Semrush「AI可視性ツールキット」とは?

Semrush「AI可視性ツールキット」とは?

AI可視性ツールキットは、AI生成の回答における自社ブランドの可視性や競合との差を分析するためのツールです。

ドメインを入力すると、AI可視性スコアやブランドメンション、引用されたページなどを確認できます。さらに、競合には言及されているものの自社にはないプロンプトを探したり、重要な質問を継続的に追跡したりすることも可能です。

Semrushは3億件を超えるプロンプトと回答のデータベースを活用しており、広いデータから現在の立ち位置を把握する分析と、自社で指定したプロンプトの定点観測を使い分けられます。

参考:Semrush「AI可視性ツールキット:AI検索におけるブランドの可視性向上」

AI可視性ツールキットとEnterprise AIOの違い

Semrushには、AI検索分析をセルフサービスで始められるAI可視性ツールキットと、大規模組織向けのEnterprise AIOがあります。

AI可視性ツールキットは、1つまたは少数のドメインを対象に、ブランドの可視性や競合との差を分析する用途に向いています。一方、Enterprise AIOは、複数ブランド・製品・地域を横断した管理や、大規模なプロンプト追跡を想定したソリューションです。

比較項目 AI可視性ツールキット Enterprise AIO
主な対象 AI検索分析を始めたい企業・チーム 複数ブランド・地域を扱う大規模組織
利用形態 定額のセルフサービス型 カスタム契約
分析範囲 1ドメインを中心に分析 複数ブランド・製品・地域を横断
プロンプト追跡 25件 無制限
対応AI ChatGPT、Google AI Overviews・AIモード、Gemini、Perplexityなど ChatGPT、Google AI Overviews・AIモード、Perplexity、Gemini、Claude、Microsoft Copilotなど
企業向け機能 AI可視性・競合分析・サイト診断など ROI分析、API、SSO、監査ログなど
料金 月額99ドル カスタム料金

なお、SemrushにはSEOツールキットとAI可視性ツールキットを組み合わせた「Semrush One」もあります。SEOとAI検索を同じ環境で管理したい場合は、こちらも選択肢となるでしょう。

出典:Semrush「エンタープライズAIOの価格」

AI可視性ツールキットの主な機能

AI可視性ツールキットには、自社の状況把握から改善点の発見までに活用できる機能がそろっています。ここでは、主な機能を紹介します。

可視性概要で現在地を把握する

可視性概要では、ドメインを入力するとAI可視性スコアやブランドメンション、引用されたページ、月間オーディエンスなどを確認できます。LLM別・国別の内訳も見られるため、自社がどこで認識されているかを大まかに把握する入口として使えます。

ここで重要なのは、単にスコアの高低を見ることではありません。どのAIでメンションが多いか、どのページが引用されているか、競合と比べてどこに差があるかを確認し、次に詳しく見るべき領域を絞り込むことが重要です。

競合他社分析で自社とのギャップを探す

競合他社分析では、最大4社まで競合を追加し、自社とのAI可視性を比較できます。とくに、競合は言及・引用されているのに自社は出ていないトピックやプロンプトを確認できる点が特長です。

競合との差をスコアだけで見ると、「自社の可視性が低い」という結果で終わってしまいます。実際には、どのテーマで差が生まれているかまで確認し、自社サイトに不足している情報や、競合が強い領域を特定することが重要です。

プロンプト分析で新しいテーマを見つける

プロンプト分析では、広いテーマや商品カテゴリを起点に、関連するトピックやプロンプトを調査できます。推定AIトピックボリュームや難易度、ユーザーの意図も確認できるため、AI検索向けのキーワード調査に近い使い方が可能です。

競合分析で見つかったギャップをそのまま対策するのではなく、需要やユーザーの意図まで確認することで、取り組む優先度を判断しやすくなります。既存ページに情報を追加するのか、新しいコンテンツを作るのかを検討する材料にもなるでしょう。

ブランドのパフォーマンスで認識を分析する

ブランドのパフォーマンスでは、可視性だけでは捉えにくいブランドの認識を確認できます。シェア・オブ・ボイスやセンチメントに加え、ブランドの評判を形成しているナラティブや、上位の引用ドメインなども分析できます。

たとえば、メンション数は多くてもセンチメントが弱い場合や、競合に比べて特定の評価軸で不利に語られている場合があります。露出量だけではなく、AIが自社をどのようなブランドとして説明しているかまで確認できる点が、この機能の特徴です。

観点 確認できること
露出量 シェア・オブ・ボイス
語られ方 センチメント・ナラティブ
情報源 上位の引用ドメイン

プロンプト追跡で重要な質問を定点観測する

プロンプト追跡では、自社にとって重要な質問を登録し、AI検索上での変化を日次で確認できます。

ChatGPT Search、Google AIモード、Geminiなどを対象に、AI可視性やブランドメンション、平均順位、引用元などを追跡できます。市場全体を探索する分析と、自社が重視する質問の定点観測を分けて進められる点が特徴です。

AI検索のサイト診断で技術的な問題を確認する

AI検索のサイト診断では、サイトがAI検索に対応できる技術的な状態にあるかを確認できます。

AIボットがrobots.txtでブロックされていないか、構造化データや内部リンクなどに問題がないかをチェックし、「AI Search Health」として状態を確認できます。コンテンツの内容だけでなく、AIがサイトへアクセス・理解できる状態になっているかを確認できる点は、Semrushの特徴の一つです。

主な確認対象 例
AIボットのアクセス robots.txtによるブロック
ページ構造 構造化データ
サイト構造 内部リンク

AI可視性ツールキットで確認できるデータ

AI可視性ツールキットでは、AI上でのブランドの存在感や競合との差を複数のデータから確認できます。各データの意味を把握しておくことで、分析結果をより適切に読み取れます。

データ 確認できること
AI可視性スコア 競合と比較したAI上でのブランドの存在感
ブランドメンション・引用ページ 自社が登場する回答や、情報源として使われたページ
トピック・プロンプトギャップ 競合は登場する一方、自社が登場していないテーマや質問
センチメント AI上でブランドがどのような評価・文脈で扱われているか
AIボリューム・プロンプトの意図 テーマの需要や、ユーザーが質問する目的

AI可視性スコア

AI可視性スコアは、AI検索におけるブランドの存在感を0〜100で示す指標です。

業界の主要な競合他社におけるブランドメンション数の中央値と比較し、自社ブランドがAI生成回答でどの程度言及されているかをもとに算出されます。自社単体の評価ではなく、競合と比較したAI上の立ち位置を見るための指標として捉えるとよいでしょう。

ブランドメンション・引用ページ

ブランドメンションでは、自社ブランドがどのプロンプトのAI回答に登場しているかを確認できます。引用ページを見ることで、AIが回答を生成する際にどの自社ページを情報源として利用しているかも把握できます。

メンションの有無だけでなく、どのAIで登場しているか、どのページが引用されているかまで見ることで、自社がAI上でどのように露出しているかを具体的に確認できます。

トピック・プロンプトギャップ

トピック・プロンプトギャップは、競合は登場しているものの、自社が登場していないテーマや質問を把握するためのデータです。

AI可視性スコアだけでは、「どの領域で競合との差が生じているのか」まではわかりません。ギャップを確認することで、自社で十分に扱えていないテーマや、情報が不足している可能性のある領域を具体化できます。

センチメント

センチメントは、AI回答のなかでブランドがどのような評価や文脈で扱われているかを確認するためのデータです。

ブランドが多く言及されていても、必ずしも好意的に紹介されているとは限りません。メンションやシェア・オブ・ボイスとあわせて見ることで、「どれだけ露出しているか」と「どのように認識されているか」を分けて確認できます。

AIボリューム・プロンプトの意図

AIボリュームは、特定のトピックについてAI上でどの程度の需要があるかを推定した指標です。あわせて、情報収集や比較検討など、プロンプトの意図も確認できます。

需要が大きいテーマでも、情報収集を目的とした質問と、商品・サービスの比較を目的とした質問では意味が異なります。需要の大きさとユーザーの目的を組み合わせて見ることで、プロンプトごとのニーズをより具体的に捉えられるでしょう。

AI可視性ツールキットの活用フロー

AI可視性ツールキットの活用フロー

AI可視性ツールキットでは、既存のAIデータから自社と競合の状況を把握し、具体的なプロンプトを選定したうえで、継続的な追跡やサイト改善につなげられます。ここでは、Semrushの各機能を使った基本的な流れを紹介します。

1. 可視性概要で自社の現在地を確認する

まずは可視性概要で、自社ドメインのAI可視性スコアやブランドメンション、引用ページなどを確認します。

ここでは個別のプロンプトから入るのではなく、自社がAI上でどの程度認識されているかを広く把握することが目的です。LLM別のメンションや引用状況も確認し、次に詳しく見るべき領域を探します。

2. 競合他社分析でギャップを見つける

次に、競合他社分析で主要な競合との可視性を比較します。

とくに確認したいのは、競合は登場しているものの自社が出ていないトピックやプロンプトです。可視性スコアの差だけで終わらせず、どのテーマで競合に露出を取られているのかまで絞り込みます。

3. プロンプト分析で具体的な質問を掘り下げる

競合との差が見つかったら、プロンプト分析で関連する質問を詳しく調べます。

Semrushでは、関連トピックやAIボリューム、プロンプトの意図に加え、各質問で言及されるブランドや引用元まで確認できます。自社に関連するプロンプトが見つかった場合は、そのまま「プロンプト追跡」へ送ることも可能です。

ポイント

AI可視性ツールキットで継続追跡できるカスタムプロンプト数には上限があります。プロンプト分析で見つかった質問をすべて追加するのではなく、AIボリュームや事業との関連性を見ながら、継続して確認したいものを絞り込みましょう。

4. 重要なプロンプトをプロンプト追跡へ追加する

継続して確認したい質問が決まったら、プロンプト追跡へ追加します。

プロンプト追跡では、ChatGPT Search、Google AIモード、Geminiを対象に、AI可視性やブランドメンション、平均順位、引用元などを日次で確認できます。調査段階で見つけた重要な質問を、そのまま定点観測へつなげられる点がSemrushの特徴です。

5. 課題を確認して改善施策につなげる

競合分析やプロンプト分析で見つかったテーマをもとに、既存ページへの情報追加や新規コンテンツの作成など、必要な改善を進めます。

あわせて、AI検索のサイト診断で、AIボットがrobots.txtでブロックされていないか、構造化データや内部リンクに問題がないかも確認しましょう。コンテンツと技術面の両方から課題に対応したうえで、次のステップで変化を追跡します。

6. プロンプト追跡で変化を継続的に確認する

施策後は、登録したプロンプトの変化をプロンプト追跡で確認します。

AI可視性や平均順位に加えて、AI検索で引用されるドメインやページも追跡できます。また、従来のGoogle検索順位とAI検索上の順位を並べて比較できるため、SEOとAI検索でパフォーマンスに差があるテーマを確認することも可能です。

AI可視性ツールキットの料金

AI可視性ツールキットの料金は月額99ドルです。1つのドメインを対象にブランドのパフォーマンスを分析でき、25件のカスタムプロンプトが基本枠に含まれます。

項目 内容
月額料金 99ドル
ブランドのパフォーマンス 1ドメイン
AI分析レポート 1日300クエリ
プロンプト分析 1日1,000クエリ
プロンプト追跡 25件
AI検索のサイト診断 最大100ページ
CSVエクスポート 1日10回
無料トライアル AI可視性ツールキット単体ではなし

追跡するプロンプト数を増やす場合は、50件を月額60ドルで追加できます。ブランドのパフォーマンスについても、1ドメインあたり月額99ドルで分析対象を追加できます。

SEO機能もあわせて使いたい場合は、Semrush Oneも選択肢です。プランに応じて50〜200件のプロンプト追跡枠が用意されています。

出典:Semrush「AI可視性ツールキットの価格」

※料金や利用上限は変更される可能性があります。契約時にはSemrush公式サイトで最新情報をご確認ください。

AI可視性ツールキットの利用前に確認したいポイント

AI可視性ツールキットの利用前に確認したいポイント

AI可視性ツールキットを導入する際は、機能だけでなく利用条件やデータの見方も確認しておくことが大切です。事前にポイントを押さえておくことで、導入後の認識のずれを防ぎやすくなります。

基本プランでは分析対象が1ドメイン

月額99ドルの基本プランで、「ブランドのパフォーマンス」の分析対象として登録できるのは1ドメインです。

複数ブランドや複数サイトのブランド認識を並行して分析する場合は、1ドメインあたり月額99ドルで分析枠を追加できます。管理対象が多い企業では、Semrush OneやEnterprise AIOも含めて、自社の運用規模に合うプランを検討するとよいでしょう。

プロンプト追跡は25件まで

基本プランで継続的に追跡できるプロンプトは25件です。

プロンプト分析では幅広いテーマを調査できますが、日次で定点観測できる質問には上限があります。すべての質問を追跡するのではなく、事業との関連性が高く、継続して変化を確認したいプロンプトを絞り込むことが重要です。

AI可視性の数値は実際の流入数ではない

AI可視性スコアやメンション数は、実際に何人がAI回答を見てサイトへ訪問したかを直接示す数値ではありません。

AI検索の回答は変動するため、これらの指標は競合との差や時系列での変化を捉えるために活用するのが適しています。実際の成果を評価する際は、AI経由の流入やコンバージョンなどと分けて確認しましょう。

AI可視性ツールキットが適している企業・ケース

AI可視性ツールキットは、AI上の露出状況を確認するだけでなく、競合との差や改善候補まで一連で分析したい企業に向いています。とくに、AI検索への対応をこれから本格化したい場合や、既存のSEO施策とあわせて改善を進めたい場合に活用しやすいでしょう。

適しているケース 理由
AI検索での自社の立ち位置を把握したい 可視性やブランドメンションを競合と比較できる
競合との差から改善テーマを見つけたい トピック・プロンプトギャップから差がある領域を確認できる
AI検索向けのコンテンツテーマを探したい プロンプトの需要や意図を調査できる
ブランドの見られ方まで確認したい センチメントやナラティブから評価傾向を分析できる
コンテンツと技術面をあわせて見直したい AI検索のサイト診断で技術的な課題も確認できる
重要な質問を継続的に追いたい カスタムプロンプトを日次で定点観測できる

AKARUMIとの違い

AI可視性ツールキットとAKARUMIは、どちらもAI検索における自社・競合の状況を分析できますが、分析の進め方に違いがあります。

AI可視性ツールキットは、Semrushが保有する大規模なプロンプトデータから自社の可視性や競合との差を把握し、プロンプト分析やサイト診断まで進められる点が特徴です。

一方、AKARUMIでは、キーワードと検討フェーズから計測するプロンプトを自動生成し、自社・競合の言及状況や引用元などを定点観測できます。プロンプトのAI検索需要を推定する「AI検索スコア」や、センチメントの分析にも対応しています。

比較項目 AI可視性ツールキット AKARUMI
競合分析 可視性やプロンプトギャップを確認 言及状況などを競合と比較
プロンプト探索 大規模データから関連テーマや需要を確認 プロンプト自動生成とAI検索スコアを利用
引用分析 引用されたページやドメインを確認 プロンプト単位で引用元を確認
技術分析 AIクローラーを妨げる技術的な問題を診断 AIクローラーの実際の巡回状況を可視化
センチメント ブランドの認識・評価傾向を分析 センチメントスコアを確認

AI可視性ツールキットに関するよくある質問

AI可視性ツールキットを導入する際は、契約方法や対応範囲など、実際の運用で気になる点もあるでしょう。ここでは、導入前に確認しておきたい疑問に回答します。

Q. AI可視性ツールキットだけを契約できますか?

A. AI可視性ツールキットは、単独のサブスクリプションとして契約できます。

SEOツールキットなど、ほかのSemrush製品を契約していなくても利用可能です。SEOとAI検索をまとめて管理したい場合は、両方を含むSemrush Oneも選択肢になります。

Q. AI可視性ツールキットは日本のデータにも対応していますか?

A. AI可視性ツールキットは、日本を対象とした分析にも対応しています。

可視性概要や競合他社分析、プロンプト分析では、日本が対応地域に含まれています。分析する機能によって対応範囲が異なる場合があるため、利用時には対象レポートも確認するとよいでしょう。

Q. AI可視性ツールキットのデータはレポートとして共有できますか?

A. AI可視性ツールキットでは、分析結果をエクスポートしたりレポートとして共有したりできます。

PDFやCSVへの書き出しに加え、定期レポートの設定や共有可能なオンラインダッシュボードの作成にも対応しています。ただし、エクスポート機能はすべてのツールで利用できるわけではありません。

Q. AI可視性ツールキットは複数人で利用できますか?

A. 複数人で利用できますが、利用するユーザーごとにライセンスの追加が必要です。

法人アカウントでは、サブユーザーごとにAI可視性ツールキットのライセンスを追加し、利用枠を割り当てます。チームで導入する場合は、利用人数も含めて費用を確認しておきましょう。

Q. AI可視性ツールキットとSemrush Oneはどう使い分けますか?

A. AI検索分析だけを行うならAI可視性ツールキット、SEOとAI検索をまとめて管理するならSemrush Oneが選択肢になります。

Semrush Oneには、SEOツールキットとAI可視性ツールキットが含まれています。Google検索の順位やキーワードとAI上の可視性を一つの環境で追いたい場合は、Semrush Oneを検討するとよいでしょう。

AI検索の現状把握から継続的な運用へ

AI可視性ツールキットを活用すれば、自社のAI上での立ち位置や競合との差を把握し、取り組むべきテーマを具体化できます。ただし、AI検索上の見え方は変化するため、一度分析して終わりにせず、継続的に状況を確認していくことが大切です。

LLMOでは、分析した結果を継続的な施策へ落とし込むことも重要です。AI検索可視化ツール「AKARUMI」では、プロンプトの自動生成から自社・競合の状況、引用元、センチメントなどを確認し、AI上での変化を継続的に分析できます。

また、プロンプト設計や戦略策定、コンテンツ改善まで含めてLLMOに取り組みたい場合は、ipeのLLMOコンサルティングサービスもご利用いただけます。

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